2012年7月19日木曜日

パイの実殺人事件スピンオフ 壱 
「ブラックメールは恋の坂道」~君のパイの実は何カップ?~  
 眠りについた深夜だった。アキバから移籍して2ヶ月たった。移動が増え、 
東京と何度も往復する。幾ら機内で眠ると言ってもやはり、疲れが残ってい 
るのだろうか。スヤスヤ状態の莉乃ちゃん(指原莉乃19才・HKT48所属・元AKB48) 
だった。 
「うーん、明太子うまーzz」などといい気持ちでいたところ、急に携帯の着信音 
が部屋に響いた。 
「着信アリ…おーこわいこわい」はおいといて、人は電子音にはビクッとする。 
 ホントにこの音はよく響く。朝の6時半頃住宅街歩いてごらん、あっちこっち 
から「ピッピピッピッ」って聞こえてくるから。 
「なんなのよ~非常識に…」と思いながら携帯に反射的に手を伸ばす莉乃ちゃん。 
伸ばしながらフト思った。 
「あれ?なんでアドレス、知ってる人なの、こんな時間に」時計は、午前三時の 
博多ベイは♪を指している。 
 実は、莉乃ちゃんは、プライベートなメールアドレスを滅多な人には教えていな 
い。ウン、色々学習したから。テヘ。 
 無機質な液晶が鈍く光る、黒い文字で「君のパイの実はAカップw 謎が謎よびみ 
んな大変」と書いてあった。 
 なーにがAカップだああ、しかもwマークまで。 
 阿蘇山噴火級の怒りがこみ上げるのを押さえきれず、莉乃ちゃんはベッドを拳で 
激しく叩いた、何度も何度も…あらゆる生の痛みと苦さをすべてその拳で打ち砕く 
かのように。 
 そして小さく叫んだ 
「さしこパーンチ」と 
 博多の夜の闇は深く、そしてどこまでも暗い。~続く~ 

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