パイの実殺人事件スピンオフ 壱
「ブラックメールは恋の坂道」~君のパイの実は何カップ?~
眠りについた深夜だった。アキバから移籍して2ヶ月たった。移動が増え、
東京と何度も往復する。幾ら機内で眠ると言ってもやはり、疲れが残ってい
るのだろうか。スヤスヤ状態の莉乃ちゃん(指原莉乃19才・HKT48所属・元AKB48)
だった。
「うーん、明太子うまーzz」などといい気持ちでいたところ、急に携帯の着信音
が部屋に響いた。
「着信アリ…おーこわいこわい」はおいといて、人は電子音にはビクッとする。
ホントにこの音はよく響く。朝の6時半頃住宅街歩いてごらん、あっちこっち
から「ピッピピッピッ」って聞こえてくるから。
「なんなのよ~非常識に…」と思いながら携帯に反射的に手を伸ばす莉乃ちゃん。
伸ばしながらフト思った。
「あれ?なんでアドレス、知ってる人なの、こんな時間に」時計は、午前三時の
博多ベイは♪を指している。
実は、莉乃ちゃんは、プライベートなメールアドレスを滅多な人には教えていな
い。ウン、色々学習したから。テヘ。
無機質な液晶が鈍く光る、黒い文字で「君のパイの実はAカップw 謎が謎よびみ
んな大変」と書いてあった。
なーにがAカップだああ、しかもwマークまで。
阿蘇山噴火級の怒りがこみ上げるのを押さえきれず、莉乃ちゃんはベッドを拳で
激しく叩いた、何度も何度も…あらゆる生の痛みと苦さをすべてその拳で打ち砕く
かのように。
そして小さく叫んだ
「さしこパーンチ」と
博多の夜の闇は深く、そしてどこまでも暗い。~続く~
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